DOLL†HOUSE
―†10分前†―
「んー美味しい
連れて来てくれてありがとう」
「よかったね」
自分よりも明らかに年上の女性と一緒に白吏はケーキ屋にいた。
「でも珍しいね?白吏君がこんな所に誘うなんて」
「前に行きたいって言わなかった?」
「・・・それ、違う子だよ」
ムッとケーキを頬張ったまま白吏を見た女性。
「あれ?そうだった?」
悪びれた様子のない白吏に呆れたように溜め息をはいた。
「他の子だったら絶対この紅茶カップ事投げ付けられてるから」
そう言って紅茶を飲んだ女性。
するとバンッとガラスにたたき付けたような音が。
ん?と二人がみると、そこには嬉しそうな笑顔でこちらを見る冠汰が。
女性のほうはキョトンとしているが白吏のほうはなんでおまえいんの?と目を細めた。
「クスッ、友達来たみたいだから私帰るわ。それじゃ」
「ごめんね」
困ったふうに笑って言った白吏に笑みを残して冠汰と擦れ違いにでていった。
「白吏ー!」
「死ねよ冠汰」
「なんでっ!?」