DOLL†HOUSE
―†帰宅後†―
食事を終えた翔平はリビングでくつろいでいた。
すると携帯から着信音が響いて来た。
「んー・・・深渓?」
ディスプレイには深渓の文字が。
「はーい、もしもし?」
『七海君!?お願い助けて!』
電話ごしからは舞の切羽詰まった声が聞こえて来た。
「どうした?」
ただ事じゃないと思った翔平は寝転んでいたソファーから起き上がった。
『肝試しに館の中に入ったら、扉が開かないの!
他の所も開かなくて私達出られなくなって・・・!
そしたら、2階から足音が聞こえて、見に行ったら誰もいなくて・・・』
段々と泣きじゃくってきた舞は声が震えてきた。
「深渓落ち着け。それから?」
翔平は舞を落ち着かせようといつもより幾分か優しい声色を出した。
『だ、誰もいないけど、やっぱり足音がして、そしたらか、懐中電灯が消えちゃったの・・・。
それで私達ばらばらに逃げちゃって、わ、私皆とはぐれ、ッ!!』
「どうした?」
電話ごしでも舞が息をのむのを感じた翔平は慌てて聞いた。
『あ、足音が、また・・・七海君助けて〈ブツッ』
<ツー ツー ツー
「深渓?オイ!・・・チッ」
翔平はいつもよりも慌ててソファーにかけていたコートを乱暴にとると玄関に向かった。
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