DOLL†HOUSE
しばしの沈黙の後、急に外の風に勢いがついた。
<ガタタッ
「キャーーーッ!!!」
「「!!!??」」
悲鳴が2階から聞こえて翔平は目の前にある階段を駆け上がった。
「翔平ちょっと待て!」
耕平からの静止を無視して荒れた廊下にでるとガラスを気にする事なく踏みながら声の主を捜した。
(あの声は反頭だった!)
廊下は右と左に別れていた。
「チッ、どっちだよ!」
<タッタッ
「!!!」
右側からまた足音がしてそちらをみると全て扉は閉まっているのに一つだけ扉が開いて月明かりがもれていた。
「反頭!?」
バッと扉を開けると、正面にある窓が全開でボロボロのカーテンがたなびいていた。
風にのって、部屋が翔平は鉄臭いと感じた。
「誰もいない・・・ん?」
何かを踏んだ翔平は床に落ちている物を拾った。
「オイ翔平!勝手に走るな」
「っ!?親父・・・」
翔平は咄嗟に拾った物をポケットに突っ込んだ。
「!?なんだこれはっ」
「ッ、!?」
懐中電灯を持った耕平が部屋を照らすと、部屋の一角は血に塗れていた。
それはまだ渇ききっていない。
「翔平、いったんここを出て警察に連絡するぞ」
「あ、ああ・・・」
二人はいったんその場を後にした。
これが事件のハジマリだった。