DOLL†HOUSE
黙祷が終わり、教師が教室から出ていくと、また教室は騒がしくなった。
翔平は席から立ち上がると教師の後を追ってでていった。
「塚本、ちょっといいか?」
仮にも教師だというのにタメ語に呼び捨てで呼んだ翔平。
廊下の少し先にいた教師は、振り返ると同時に名簿を槍の如く翔平に向かって投げた。
<パシッ
「あー、教師が生徒にこんなことしていいのかな〜?」
翔平はなんのことなく片手でそれを取った。
「毎度毎度、先生と呼べと言ってるでしょ。翔平」
塚本 倭伽(ツカモトワカ)
翔平達の担任
「おまえは塚本で十分だ」
「何様のつもりですか貴方は!!」
シレッと言う翔平に倭伽はムキーッと言った。
「それより、今日深渓と榴はどうした?」
翔平はパラパラと名簿をめくりながら倭伽に聞いた。
「・・・二人共風邪で休みです」
「ふ〜ん、風邪ねぇ・・・?」
そう言って翔平はパタンと名簿を閉じて自分よりも背の低い倭伽の頭に名簿を置いた。
「翔平!ちゃんと授業出なさいよ!」
倭伽の言葉に振り返る事なくひらひらと片手を振りながら翔平は教室に戻った。
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