DOLL†HOUSE
−†現在†―
「オイ、翔聴いてんのか!?」
「んー、聴いてない」
七海 翔平(ナナミショウヘイ)
高校二年生
「イヤ聴いてよ!」
梢 冠汰(コズエカンタ)
高校二年生
「や、興味ないし。聴くだけ無駄」
昼休みの昼食。
教室で机をくっつけ話している二人の男子生徒。
けだるげに紙パックのオレンジを飲んでいる翔平の胸倉を掴んで冠汰は前後に揺さ振った。
「なんだよ〜!お前がきいたんだろ!?」
「なんで館は残っているのかを聴いただけ。んな長話はどーでもいい」
冠汰のほうは見ずに翔平は言った。
「いやいやどーでもいいってひどくない!?」
「ひどくない、あと放せ、そしてうざい、バカンタ」
「それ明らかに酷いからねっ!?白吏、なんか言ってやって!」
バッと横にいる黒縁の眼鏡をかけたもう一人の男子生徒を泣き目見て言った。
「冠汰煩い」
読んでいた雑誌から目をはなす事なく冷たく言い放った。
「白吏までっ!?
もういいよ!皆に慰めてもらって来る!」
「そのまま戻ってくるな」
「Σ!!翔のバカヤローッ!」
そう言って泣いて去っていくようにして女子の輪に入って行った。