DOLL†HOUSE
意外な接点
学校を二人してサボった事を長々と怒られて、あんまり長いから遠山の事をそれとなく言って矛先を変えて逃げて来た翔平。
駅前まで来て自転車をとめた。
「翔ちゃん、私学校にかばん置いて来ちゃった・・・」
「じゃあチャリ返す。おまえは中学校で義務教育を受けてこい」
そう言って叉奈に自転車を差し出した。
「翔ちゃんは?」
受け取りつつ叉奈は翔平を見ながら聞いた。
「用事」
携帯を取り出して何やら操作をしながら言う。
それを耳にあてたことから、叉奈には電話だということがわかった。
「あ、真穂さんですか?・・・ハイ、ちょっと時間いいでしょうか?・・・ハイ、じゃあ、・・・」
携帯を閉じてポケットにしまうと、横から何かもや〜っとした黒い空気が。
「・・・何か用?早く学校行け」
面倒臭い。
そういった風に翔平がいうと叉奈がぶすくれた表情で自転車を翔平にあてた。
「イッ!!
テメッ、何すんだよ!?」
「・・・真穂、て誰?女の人?」
「違う、男」
当たった部分をさすりながら簡潔に述べると翔平は切符を買い始めた。
「何処行くの?私も行く!!」
「おまえ金ないだろが」
目的地までの切符を選び、ボタンを押しながら翔平がいうと、叉奈がじっと翔平を見る。
「翔ちゃん買って♪」
「誰が暴力女に買ってやるか」
スッと冷たい視線を一瞥叉奈にやると、ガーンッ、とショックを受けて固まっていた。
翔平はそんな叉奈を残して改札を抜けていった。