DOLL†HOUSE



−†真穂の過去†―




私も昔は翔平君達の街に居たんだけど、仕事の都合上こっちに来てね。

まあ今はやめてキャバクラしてるけど(笑)




で、私が小学四年生ぐらいだから、12年前に夏休みの宿題で山に虫取りに行ったの。


天気予報では晴れだって言っていたのに急に雨が降ってさ、とりあえず雨宿りが出来そうな場所を探していたの。

そしたら多分今とは違うと思うんだけど、綺麗な館があってね、そこに駆け込んだのよ。




「すみません・・・誰かいませんか?」




でも誰も出てこないの。



「・・・寒い」




流石に夏でも雨に濡れれば寒くて、その場にしゃがみ込んで、いつの間にか寝ちゃったのよ。



気が付いたらふかふかのベットの中。

隣を見たら同い年くらいのかわいらしい女の子が私をじっと見ていてビックリ。


それが惟縞麻璃華(ユイジママリカ)。





「目が覚めた!とーさまー!目を覚ましたわー!!」



私が目を覚ますと、バタバタとドアを開けて“とーさま”を呼びに行ったわ。


そこが館の中だってのは気付いたけど、同時に何故自分は此処に?って思った。
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