DOLL†HOUSE



その日から私は麻璃華とよく遊ぶようになったわ。

屋敷の中だったり外だったり。


だけど、山から出て遊んだことは一度もなかった。





「私の家に来ない?今日お誕生日なの!」




誘ったら、その娘は苦笑いをして首を横に振った。


理由を聞いたら、屋敷からあまり離れてはいけないって言われていると。



まあ、その時はイマイチわからなかったけど、きっと誘拐されたりしないようにだったのよ。





だけど、それだけではなくて、本人は妹と約束したからって言ったわ。



どんな?って聞いたら、秘密って。


残念ながら今もその秘密が何かはわからないのだけれど。




・・・え、妹はって?


一度も会ったこともないし、話したこともないわ。



体が弱くて、部屋からあまり出てこなかったし、病院に行っている時間に遊んでいたから。





姿は、麻璃華に写真を見せてもらっていたからわかるわよ。


麻璃華に似てかわいらしい感じ娘だったわ。




妹のほうは、名前何だったかしら・・・アッ、そう!


確か“サラ”って名前だったわ。


漢字はわからないけど、サラちゃん。




・・・生きていれば、翔平君達と同い年。


皆、もういなくなっちゃったから・・・。
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