DOLL†HOUSE
それから一月ぐらいたって、突然もう私とは遊べないって言ったの。
遊ばないじゃなくて、遊べないって。
その日から、麻璃華は私に会わなくて、私も諦めたわ。
それからさらに一週間。
あの事件がおきたわ・・・。
ニュースでしったとき、有り得ないって何度も思ったわ。
でも、それは現実だって知らせるように沢山の記者がやってきて・・・正直しんどかったな・・・。
「・・・こんな感じ。聞きたいことは?」
やはり辛かったのか、真穂の目には涙が浮かんでいた。
「あ、最近ネットにその屋敷について噂があって。
真穂さん、何か知ってますか?」
翔平がきくと、んーと顎に手をあてて考えた。
「聞いたことはあるけど、たいして知らないわ。
そんな噂があるっていうのも、つい最近知ったし・・・」
「事件の犯人って、捕まったんですか?」
「犯人は、捕まっていない・・・てゆーか、私が見つけてこの手で殺すわ」
真っ直ぐと翔平を見ながら冗談なんて少しも混じっていない声と顔で真穂は言った。
翔平は一瞬、なんとも言えない気持ちになり、それから沈黙が・・・。
「ふっ、冗談よ。時効になるまでには早く捕まって、死刑にでもなってほしいわ」
そう言って笑ったが、その笑顔はいつもより硬い笑顔のように翔平は感じた。
溶けた氷が崩れる音が、やけに耳に翔平には響いた気がした。