DOLL†HOUSE
天罰



真穂と別れた翔平は公園のブランコに座って軽く揺れていた。


手には屋敷で拾った黒いリボンが。




「人形には目隠しが、か・・・」



小さく呟いて、リボンを持ち上げて眺める。


「特に変わった所はないな・・・ダッ!」




裏表何度か見ながら言ったら、頭にボールがとんできた。



「ごめんねお兄ちゃん、大丈夫?」




小学校低学年くらいの女の子がてくてくと走って来た。


その少し離れた所には友達らしき女の子がこちらを見ていた。




「気ィつけろよ」




ボールを渡した後ポン、と頭を軽く撫でた。

女の子は笑顔を浮かべると友達の元に去って行った。


「もう、なにやってんの春香は」



「ごめんお姉ちゃん」




どうやら友達ではなく姉妹のようだ。


その姿を見て、翔平は先程の真穂の話しを思い出した。



「麻璃華にサラか・・・」



リボンが風でたなびく。

急に風が強くなり、リボンが飛ばされた。



「アッ、と・・・」




掴もうとしたがおしくも届かずリボンは砂場に落ちた。

はぁ、と溜め息をはいてめんどくさそうにブランコから立ち上がった。
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