DOLL†HOUSE
そんな後ろ姿を翔平はひらひらと手を振りながら見送った。
「翔平って冠汰にキツイな」
美羽 白吏(ミハネハクリ)
高校二年生
「そう言う白吏こそ」
翔平はストローをくわえたまま冠汰を見ながら話し、白吏は雑誌から目をはなさず話す。
女子から冠汰はクッキーを貰っている。
「・・・餌付けの犬みてぇ」
パックを机に置いてポケットから棒付きキャンディーを取り出した。
「翔平それ好きだよな、甘くないか?」
雑誌からやっと目をはなし翔平の手元を見る白吏。
「その甘いのがいいんだろ。甘くないのもあるけど食べる?」
「いい、犬にあげたら喜ぶぞ?」
冠汰を見て白吏は言った。
翔平のほうは顔をしかめた。
「あんなバカ犬餌付けしてもな・・・」
コロコロと口の中で飴を転がす翔平。
包まれていた紙にはイチゴミルクと書かれていた。
(あまそー)
それを見た白吏が今度は顔をしかめた。
「翔!白吏!一緒にくわねー!?」
女子から貰ったクッキーを頬張りながら片手をぶんぶんと振っている冠汰。
そんな冠汰を見て翔平は犬ではなくハムスターと訂正した。