DOLL†HOUSE



そんな後ろ姿を翔平はひらひらと手を振りながら見送った。




「翔平って冠汰にキツイな」

美羽 白吏(ミハネハクリ)
高校二年生




「そう言う白吏こそ」





翔平はストローをくわえたまま冠汰を見ながら話し、白吏は雑誌から目をはなさず話す。



女子から冠汰はクッキーを貰っている。




「・・・餌付けの犬みてぇ」



パックを机に置いてポケットから棒付きキャンディーを取り出した。




「翔平それ好きだよな、甘くないか?」




雑誌からやっと目をはなし翔平の手元を見る白吏。



「その甘いのがいいんだろ。甘くないのもあるけど食べる?」




「いい、犬にあげたら喜ぶぞ?」





冠汰を見て白吏は言った。

翔平のほうは顔をしかめた。




「あんなバカ犬餌付けしてもな・・・」




コロコロと口の中で飴を転がす翔平。

包まれていた紙にはイチゴミルクと書かれていた。



(あまそー)




それを見た白吏が今度は顔をしかめた。



「翔!白吏!一緒にくわねー!?」




女子から貰ったクッキーを頬張りながら片手をぶんぶんと振っている冠汰。



そんな冠汰を見て翔平は犬ではなくハムスターと訂正した。
< 4 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop