DOLL†HOUSE
砂場の砂は黒っぽい色で、リボンが見つけにくい。
砂場に足を踏み入れてリボンを探し出す。
「あ、あった」
砂場の中央付近にぽつん、と落ちているリボンを翔平は拾うため歩き出した。
砂に足をとられながらも進み、リボンを手に取った。
「・・・?ガキどもは・・・」
辺りを見回せば、さっきまでいた子供達が跡形もなくいなくなっていた。
「帰ったのか?」
もうそろそろ夕方だ。
多少早いが帰ってもおかしくはない時間帯。
「ッーーーーーー!
まただ―――
自転車置場で叉奈を待っていた時も感じた、普段とは違う違和感。
誰かに見られているような視線を体中に感じ、恐いような、不安なような感情が入り交じる。
早くここから離れよう。
そう思うが、足が動かない。
砂が足に絡み付いたかのように全く。