DOLL†HOUSE
<タッタッタ・・・ピタッ
(とまっ、た・・・)
今まで聞こえていた足音が、いきなりピタリとなりやんだ。
・・・翔平の背後で。
「・・・誰だ?」
強く手を握り、背後にいるであろう『モノ』に問いかけた。
しかし、どれだけ待っても返事は返ってこない。
(後ろにいるのは人間・・・)
そう自分に言い聞かせると翔平はバッと勢いよく振り向いた。
「誰もいない・・・」
振り向いた先には遊具以外特になにもない。
「きのせい?でも、足音も聞こえていた、確かに気配を感じた・・・」
―カエシテヨ−
「!?」
−ドロボウニハ
テンバツヲ−
室内でもなんでもないただの公園に、幼い声が響いた。
辺りを見渡したがやはり誰もおらず・・・。
「天罰って、どういう事だよ・・・。それに返してって」
そこまで言って翔平はハッとし、そして手元のリボンを見た。
「このリボンかよ・・・」
あの時咄嗟にもってきたリボン。
何か手懸かりになるかと思っていた翔平だったが、重要な代物になりそうだ。
「だが、今の声は誰の?」
翔平達よりも、叉奈よりもずっと幼い声・・・。
かわいらしいが、どこかしっくりとこない女の子の声・・・。
リボンをジッと見て、ポケットに仕舞うと翔平は公園をあとにした。
その姿を見られていたとは知らずに・・・