DOLL†HOUSE
翌日、学校にやってきた翔平は教室には行かず屋上に来ていた。
フェンスに寄り掛かって座り携帯を開いていた。
「やっぱり履歴は消えている・・・」
舞からの最後の着信。
後に確認してみれば、それは消えていた。
あの時屋敷で何があったのか――
反頭は何故死んだのか――
深渓と榴は何処へ消えたのか――
足音の正体は何なのか――
カシャン・・・
「さっぱりわかんねー・・・」
携帯に落としていた視線を上げ、フェンスに頭を寄り掛からせてぽつりと呟いた。
見上げた空は清々しい程に青空が広がっているが、翔平の頭の中はもやもやとした霧がかかったようになっていた。
「しょ・お・ちゃん!」
「・・・おまえ、何してんの?」
ぼーっと空を眺めていたら翔平の視界に冠汰の顔が入った。
それに翔平は驚かず顔を歪めて聞いた。
「せっかく翔を驚かそうとフェンス乗り越えて背後から来たのに」
言いながらフェンスを乗り越えておりた。
「俺は止めたんだけどね」
声のほうをむくと白吏が二人分のカバンを持って立っていた。