DOLL†HOUSE



翌日、学校にやってきた翔平は教室には行かず屋上に来ていた。

フェンスに寄り掛かって座り携帯を開いていた。



「やっぱり履歴は消えている・・・」



舞からの最後の着信。

後に確認してみれば、それは消えていた。



あの時屋敷で何があったのか――


反頭は何故死んだのか――

深渓と榴は何処へ消えたのか――


足音の正体は何なのか――



カシャン・・・


「さっぱりわかんねー・・・」




携帯に落としていた視線を上げ、フェンスに頭を寄り掛からせてぽつりと呟いた。


見上げた空は清々しい程に青空が広がっているが、翔平の頭の中はもやもやとした霧がかかったようになっていた。




「しょ・お・ちゃん!」



「・・・おまえ、何してんの?」




ぼーっと空を眺めていたら翔平の視界に冠汰の顔が入った。


それに翔平は驚かず顔を歪めて聞いた。




「せっかく翔を驚かそうとフェンス乗り越えて背後から来たのに」



言いながらフェンスを乗り越えておりた。




「俺は止めたんだけどね」


声のほうをむくと白吏が二人分のカバンを持って立っていた。
< 42 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop