DOLL†HOUSE
翔平達のほうに近づいてカバンを置いた白吏は口を開いた。
「なぁ翔平、俺達になんか隠してないか?」
じっと翔平を見ながら白吏が聞いた。
その問いに翔平はさらに顔を歪めた。
「なんで?」
「昨日翔が帰った後、学校に警察が来たんだよ。舞ちゃんと杏珠ちゃんが行方不明って事で・・・」
翔平がきくと冠汰が答えた。
「里南ちゃんが死んだって言われた時、おまえ調度あの三人捜してただろ?
それから翔、学校サボってどこかへ行くし・・・」
「そしたら昨日、連絡があったんだよ」
そういうと白吏はポケットから携帯を取り出し、画面を翔平に向けた。
「翔平君がわざわざ私に会いにきたんだけど、喧嘩でもしたの?って」
画面には履歴が列んでおり、そこには真穂の字が。
それを見た翔平は、真穂に口止めしておく事を忘れていた。
「・・・別に、何もないけど?」
慌てる事なく翔平は自分の携帯を仕舞い立ち上がった。
「なぁ翔、俺らには言えないわけ?俺らじゃ頼りないか?」
眉を下げ翔平に聞く冠汰。
「・・・別に、そんなんじゃねーよ」
顔を下げ、少し小さめに答えた翔平。
「だったら話してくれてもいいんじゃない?」
白吏が前へと一歩進む。
その時翔平の背後にあるフェンスのネジが緩んだ。
しかし誰も気付かない。
「最初は言おうと思っていた。
だけど、言えばおまえらも関わる事になって、死ぬかもしれない」
そんなのは、嫌なんだよ
そう翔平が呟いた。