DOLL†HOUSE
−コンコン
「翔平君、検温の時間で・・・・・・あれ?」
翔平の検温に来た山本は、もぬけの殻となったベットを見て目をパチクリ。
「・・・・・・あっ」
その時ハッとした。
あの時白吏君とすれ違った帽子の男の子・・・。
「・・・だ、騙されたーーーーーー!!!」
「山本の奴、今頃騙されたー!とかなんとか叫んでるぞ」
意地の悪い笑みを浮かべながら翔平は帽子を取る。
そんな翔平を見て白吏は肩をすくめた。
「山本さんかわいそー」
「いいんだよ。あいつ俺より年上に思えないほどからかいがいがあるんだよ。
おかげで病院生活も退屈しね−し」
「・・・ホント、山本さんかわいそー」
改めて白吏は山本に同情する。
心の底から。
「それより冠汰の奴遅いな」
病院前だと見つかってしまうので、翔平と白吏は先に駅の方へと来ていた。
遅れてやって来るはずの冠汰を待っているのだがいっこうに現れない。
「まさかあいつ迷子か?」
「翔平、いくらなんでもそれは・・・・・・あるかも」
真面目な顔で言った翔平の考えを否定しようとした白吏だったが無理だった。