DOLL†HOUSE
白吏と叉奈が話していた傍らでは、冠汰に翔平が何やかんだで説教へと発展していた。
その説教も終わった頃、翔平がファイルを手に取った。
「抹毘優覇(マツビユウハ)・・・・・か」
「それ、記者の名前?」
翔平が記事に目を通しながら呟いた名前に白吏が問い掛けると頷いた翔平。
「流石に警察なんかに聞けねぇし、この人になんか聞いてみるか」
「だけど翔、この人何処の誰かわかるの?」
横から冠汰が聞く。
「そこは情報網のお前がどうにかしろ」
「人任せ!?」
「たまには役に立て」
「本見つけたじゃん!」
「つべこべ言わずにやれ」
「横暴だ!」
それからもしつこく言い合う二人は、最終的に脅した翔平の勝利となった。
「・・・翔平、そろそろ病院に戻ったら?」
腕時計を見て言った白吏に翔平も携帯で時間を確認する。
「そうだな。山本の奴怒ってんだろうな」
朝からの行いを思い出しぼんやりと呟く。