DOLL†HOUSE
〈ダンッ!
「Σイッ!!」
「で、なんでその館に行くわけ?」
笑った冠汰の足を翔平はおもいっきり踏み付けた。
冠汰は痛みのあまり涙目で翔平を睨んだが、自分関係ないといった感じに話を戻した。
「最近ネットの掲示板にあの館についての噂があってね・・・ホラ、これだよ」
杏珠が自分の携帯を翔平にわたした。
翔平を中心に両方から白吏と冠汰が覗き込む。
【題:惟縞邸惨殺事件。
この事件があった館にはどこかにその家の娘が大切にしていた人形があるんだって。
それを見つけたら、どんな願いも叶うって噂。
その人形の特徴は目にリボンを巻いてあるってこと。
私の友達の友達も、探して見つけたら願いが叶ったって!】
「・・・嘘くせぇ」
ぼそっと翔平は呟くと携帯を杏珠に投げた。
「キャッ!ちょっと投げないで!」
「でも、確かに嘘くさいな」
「俺も翔と白吏に同感。
友達の友達って結局は他人じゃん」
男三人組はそう言って興味なさ気。
「それでもいーの!」
里南はイーッとして言った。
〈キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム・・・」
舞は慌てて机の上を片付け始めた。
里南と杏珠もその手伝いをしながら笑いあって楽しそうに話していた。
「翔、俺らも片付けなきゃ」
冠汰に話し掛けられても翔平は三人を見つめていた。
「どうしたの、翔平?」
「・・・なんか、もうすぐあいつら会えなくなるような・・・気がした」
白吏の問いに視線は三人にむけたまま翔平はそう言った。