もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
あたしは、慧斗の背中にぴったりとしがみつく。
平日は学校に行って休日はこうやって慧斗と出掛けるようになった。
前みたいに毎日旅に出るのは先生が駄目だと言うからその代わり休日に旅に出る。
バイクだから遠くまで行ける。
歩いて行くには限られていたから、うれしくないと言ったら嘘になる。
新しい、見たこともない景色を、記録出来るのだから。
あれから、目の痛みは一切なかった。何かの前触れみたいに。先生は、すぐにどうこうなるわけではないと言っていたけど、確かに右目が見えなくなったのにも何年もあった。
後、どのくらいで左目も見えなくなるかはわからないけど、なるべく、遅くなって欲しいと願わずにはいられない。
どのくらいバイクを走らせたか、途中休憩にコンビニに二回くらい寄って、ようやく目的地に着いたようだ。
キキッとブレーキの音がして、エンジン音が消える。