もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



あっ鳥だ……可愛い。


「もうすぐ夏休みだろ」

「そうだね」

「夏休みになったら、遠出するか」


あたしは、湖から慧斗に目を移す。


「遠出?」

「あぁ」

「ほんと?……でも、慧斗、三年生だよね?」



三年生だから今年受験だ。夏休みも本来ならこの休日も遊んでいる暇はないのに。


「気にしなくていい」

「?」

「俺、もう決まってるから」

「決まってる?」

「大学………後面接だけ」


だから大丈夫だと言う。


よく分からないけど、慧斗が大丈夫と言うなら大丈夫なのだろう。


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