もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「…………慧斗は、あたしを人として認めてくれたの」
ポツリと月は話し始めた。
小さい頃から英才教育を受けて、成績が少しでも落ちたら殴られたりする毎日。小さい頃は、誉めてもらおうと頑張ってきたけど、中学になると息が苦しくなって、何もかもが嫌になった。
自分が誰で何のために生きているのか、分からなくなった。
感情すらも無くなって、親の操り人形になっていたときに慧斗に言われた。
「お前は、月だ。どうして光ってないんだ、って」
暗闇の中に輝く月。時には人を照らし、導く月。
同じ名前なのにお前は月じゃないって。
親の操りになんかなるな、自由に生きればいいだろ。
「慧斗に言われて、あたしは髪を染めたの」
茶色とかじゃなく輝く金に。少しでも、月に近くなりたいから。
家に帰ったら勿論親は大激怒。