もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
――――なんてことを!!
――――お前は恥ずかしくないのか!?
怒鳴る親に鬱憤が溜まっていたあたしは反抗して家を飛び出した。
でも、後悔した。金になった髪をつまんで見る。
キラキラ光る目立つ色。
少し髪の色を変えたのに後悔しながら慧斗の所に行くと、あたしを見て慧斗は表情を変えないで言った。
「お前らしいって」
でも、それじゃ社会人なれないな、と鼻で笑われたのはまだ記憶に新しい。
「嬉しかった。慧斗は怒らない、優しくもしないけど、普通に接してくれる。我が儘言っても聞いてくれた」
自分でも度が過ぎるってくらいの我が儘を言ったこともあった。だけど慧斗は、それを聞いてくれた。
「だから、あたしは………」
「そこのお二人サン」
月の言葉を遮って、男の声が降ってきた。