もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
ハッと顔を上げると見知らぬ男が数人。皆柄の悪そうな連中だった。
「………何の用」
スッと目を細めた月は、立ち上がるとあたしを自分の背中に隠すように立った。
「んー紅椿サンを偶々見つけてさー」
紅椿?
「で?」
「ちょーと面貸してくれないかな?」
「あたしが誰か分かって言うんだ」
さっきの月の声とは別人みたい。
低い声で月は相手を睨む。
男はへらへらとにやけながら勿論と頷く。
「レディースでは最強だもんなー」
俺達でも勝てるかわかんねぇよ。
「でもさー………そっちの美人サンは、どうかな?」
「っ」
月の後ろにいるあたしをのぞき込むように見る男の厭らしい笑みにあたしは吐き気を覚えた。