もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
あたしは、体が冷えていくのを感じる。
蹴り続けられてる月。
蹴り続けてる金髪。
それを見て笑う周り。
これが、慧斗達の世界?
こんな、狂ってる世界が。
「――――っやめて!!」
あたしは、痛む体を叱咤しながら金髪と月の間に滑り込んだ。
ピタリ金髪の足が止まる。
「やめて……」
「っあんた……ハッハ……くっ」
「邪魔だよ?」
金髪は狂った笑みを浮かべながらあたしを目線を合わせる。
「可笑しいよ、君達」
「可笑しい?」
「女を殴るなんて、サイテイ」
睨みながら言うと、金髪は声を上げて笑い出した。