もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「っそれ以上雪那に触るな!!!―――雪那は、黒龍の姫だぞ!!!」
ピタリと金髪の動きが止まったその刹那、遠くから怒鳴り声が聞こえてきた。
「なんだ!?」
男達は慌てたようにドアの方を見る。するとドアが開き、傷だらけの男が腹を押さえながら入ってきた。
「総長っ……大変っす……」
「なんだ?」
「紅椿と………黒龍です……!!」
黒龍―――慧斗。
「黒龍、だと?」
「なんで………」
混乱する男達に月がハッと鼻で笑った。
「………姫を、助けに来たんだ……」
バッと男達はあたしを見た。
「お前が………」
「おらぁ!!雪那はどこだぁぁ!!」
低い怒鳴り声が聞こえた。
それは間違いなく、慧斗の声。