もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



「っそれ以上雪那に触るな!!!―――雪那は、黒龍の姫だぞ!!!」


ピタリと金髪の動きが止まったその刹那、遠くから怒鳴り声が聞こえてきた。


「なんだ!?」


男達は慌てたようにドアの方を見る。するとドアが開き、傷だらけの男が腹を押さえながら入ってきた。


「総長っ……大変っす……」

「なんだ?」

「紅椿と………黒龍です……!!」


黒龍―――慧斗。


「黒龍、だと?」

「なんで………」


混乱する男達に月がハッと鼻で笑った。


「………姫を、助けに来たんだ……」


バッと男達はあたしを見た。


「お前が………」

「おらぁ!!雪那はどこだぁぁ!!」


低い怒鳴り声が聞こえた。
それは間違いなく、慧斗の声。


< 157 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop