もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



ガンガンっという金属音が響いたかと思えば、走っている足音が幾つか近付いてくる。


「雪那!!」


ガンッと息を切らせながら飛び込んできたのは、慧斗。
慧斗は、金髪に押し倒されているあたしを見るなり、拳をきつく握りしめ目をつり上がらせた。


「てめぇら………」

「もしかして、君が黒龍の総長サン?」


金髪はあたしから退くと、仲間を率いて慧斗と対峙する。


「………大丈夫かっ」


体を引きづりながら月があたしに寄り添う。


「月ちゃんこそ………」


痛々しい傷に、あたしは眉を下げる。


「よくも、雪那に……」


慧斗は、怒りで震えていた。


< 158 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop