もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
その声にあたしはゆっくり目を開けてみた。
「………うそ、」
「嘘じゃない」
あたしは、目の前の光景に目が離せなくなった。
八人に攻撃されている慧斗は、相手の攻撃を巧みに交わしながら一人一人倒していく。
まるで、舞っているようだ。
いつの間にか、金髪以外は地面に倒れていた。
「チッ」
金髪は、戦局の不利を感じたのか、ポケットから手のひらサイズの折り畳みナイフを取り出した。
ギラリとナイフの刀身が光る。
「っ慧斗………」
あたしの声は驚くほど小さかった。
一対一で対峙する二人。
「有り得ない……有り得ないんだ……」
ポツリと、金髪が呟いた。