もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「月も派手にやられたねー」
「………煩い」
奏を睨み付けた月は、チラッとあたしを見た。その顔は、妬みとかではなく、優しい表情だった。
「遅くなってすまない」
小さく、慧斗が言った。
鼻の奥がツンとする。
「平気だよ……」
「守るって言ったのに……!!」
慧斗は、自分を責めていた。
なんで、責めないでよ。ちゃんと慧斗は、守ってくれたじゃない。
助けに、来てくれた。
それだけで十分。
「………助けに来てくれて、ありがとう」
だんだんと視界が歪んでいく。
あれ、おかしいな?涙は枯れたはずだったのに。
涙が蘇るほどあたしは怖かったの?……違う、嬉しかったんだ。
この温もりを感じれることに。