もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「帰るぞ」
近くに聞こえる慧斗の声は、何故か怒気を含んでいた。
「俺、ここの片付け終わらせてから帰るわ!」
神楽が、挙手をしながら宣言する。
「そうですね。俺も残ります」
奏も神楽に頷くと、月と遠矢に目を向ける。
「遠矢は月をお願い」
「………分かった」
遠矢は渋々頷くとゆっくりと月を支えながら歩き出す。
「………月ちゃ……」
慧斗に抱かれながら、月の名前を呼ぶ。
歩いていた月は足を止めると、ゆっくりと振り返る。
「また、今度」
「………え?」
「大丈夫………あたしも、守るから」
ふわっと笑みを浮かべる月の表情は、綺麗な天使みたいだった。