もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
[第九章] 姉の帰還
「―――そうだ、明日由紀子が帰ってくる」
カチャカチャとご飯の準備をしながら先生が言った。
あたしは、食卓に装ったご飯を運びながら首を傾ける。
「由紀子?」
「俺の姉」
はぁっとため息混じりに慧斗は頬杖をついた。
「お姉さん?」
「留学させてたんだよ」
留学……
「大丈夫、由紀子もきっと雪那ちゃんを気に入るわ」
お母さんがニコニコと笑みを浮かべながらあたしの隣に来る。
「何時着くって?」
「10時くらいって言ってたわ」
そうか、と先生が頷く。
食事を全部運んだら、いつもの席につく。
「お姉さんは、なんで留学してたの?」
あたしは隣にいる慧斗に聞いてみる。