もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



「あたし達はどうしようか………」

「部屋でのんびりしとこうぜ」

「そだね」


慧斗の提案にあたしはすぐに賛成した。ここにいても何もすることないしね。


あたし達は、リビングから離れて部屋に向かおうとすると、丁度書斎から出てきた先生と鉢合わせた。


「親父」

「由紀子は帰ってきたか?」

「まだ」


時間まだだろ、と慧斗が言うとまだか、と少し残念そうだ。
待ち遠しいんだね、先生。


「気になるなら行けば良かっただろ」

「仕事が残ってたからな」

「兄貴に任せてるんじゃないのかよ」

「病院の方だ」


疲れた表情を見せる先生に、慧斗は、あっそうと適当だ。


< 188 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop