もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
もう少し、気遣ってやりなよ、とあたしは心の中でため息をつく。
「姉貴が帰ってくるまで俺達部屋にいるから」
「あ?あぁ」
そうしろ、と先生は自分も書斎に戻ろうとして、そうだ、と足を止めた。
「雪那ちゃん」
「はい」
初めはさん付けだったけれど、今は親しみを込められてちゃん付けになっている。
「ちょっと来てくれるかな」
「?」
「雪那に何の用だよ」
「お前は部屋にいろ」
はぁ?と抗議の声を上げる慧斗を無視して先生は書斎に戻っていった。
慧斗無しだから、きっと目のことだね。痛み止めはまだあるけどな……
「あの野郎……」
「お父さんにそんなこと言ったら駄目だよ」