もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



「どうして?雪那ちゃんを気に入ってるから」

「っそうじゃなく………先生は分かってるでしょ?」


あたしの事を今一番分かっているのは先生だけ。
痛み止めも先生が処方してくれてるから。


「そうだな………いつかは失明してしまう君だけど、それはすぐじゃないだろ?」


真剣な表情で先生は真っ直ぐあたしを見つめた。


失明は、明日明後日なるようなものじゃない。じわじわと何年もかかって見えなくなっていく。
だけど未来は確実に真っ暗だ。


「失明しても、生活に支障が最小限に出きるようにすれば良いことだし」


サポートもすればいい。


それに何より。


「あんな生き生きとしている慧斗は初めてなんだよ」


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