もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………高校を出ないでどうやって生きていく?」
「………大丈夫です」
あたしは、ふわりと笑った。
先生は、一瞬目を見開き、あたしの笑みで全てを承知したようだった。
「それは、」
「慧斗には、内緒で」
「ちょっと待って、それは、医者として、否一人の人間として、止めなくちゃいけない」
「決めてた事ですから」
ずっと前、病気を知ったあの日に決めた事。
「…………」
「他の人に言ったら駄目だよ?先生」
もし言ってもあたしは嘘を言うけど。
「…………」
「これは、あたしの運命だもの」
だからいいの、とあたしはまるで自分に言い聞かせるように呟いた。