もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
むううっと頬を膨らませると慧斗はクスリと笑ってチュッとリップ音を出しながらキスをしてきた。
「っ」
「ふてくされんな」
啄むように何回もキスをされて、あたしは膨れるどころじゃなくなる。
最初は軽いキスだったのに、だんだん深いものに変わってきて。
慧斗の手があたしの後頭部に回ろうとしていた時に、ガッターンと派手な音が邪魔をした。
「たっだいまーーー!!!」
少し高めの元気な声が部屋にいるあたし達にまで聞こえてきた。
「………帰ってきやがった」
チッと舌打ちをしながら慧斗はあたしから離れる。
その顔は不満たらたら。