もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………別に」
「別に?」
「由紀子、慧斗もちゃんと道を決めた」
眉を寄せる由紀子さんに先生が話にはいる。
その隙にご飯を食べ終えた慧斗は、立ち上がった。
「………慧斗?」
「部屋、いるから」
慧斗は、あたしにそう言うと、先生達を見ることなくリビングから出ていってしまった。
…………一体、どうしたんだろう?
あたしは、慧斗のいなくなった席を見つめながら首を傾ける。
「全く、あの子は………」
「まだ反抗期ねー」
手の掛かる弟、と由紀子さんは料理をつつく。
「ごめんね、雪那ちゃん」
お母さんが申し訳なさそうに眉を下げる。
あたしは、首を振りながら、どうしたんですか、と尋ねた。