もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



笑い声のする方を見ると、口を押さえながら笑っている月。
押し殺そうとしているけれど、押し殺しきれていない。


「月ちゃん?」

「面白すぎるんだけど」

「………何だと」


ギロリと慧斗は月を睨む。
誰もが震えるくらいの眼力でもやっぱり同じ世界にいるからか、それとも慣れてるからか全く動じない。
クスクスと気がするまで笑った月は、うっすらと目尻に溢れた涙を拭った。


「あー面白かった」

「月ちゃん?」

「雪那、何で不機嫌か知りたい?」

「え、うん………」

「あのね……慧斗は嫉妬したんだよ」


嫉妬………??


パチパチと瞬きを繰り返す。


< 226 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop