もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
そのまま慧斗の方を向くと、慧斗と目があった瞬間逸らされてしまった。
若干、耳が赤いような気がする。
「女に妬くなんてそんなに雪那に構って欲しかったみたいだな」
「………うるせぇ」
「邪魔者は退散するわ」
月は笑みを浮かべたまま、ドアの方へ歩いていく。
「月ちゃん?」
「あたしは今日は帰るわ。自分とこもあるし」
途中で遠矢も拾ってくから、と月はドアを開けた。
「うん」
「またね、雪那」
バイバイと手を振ると、月は音には出さないで口パクで頑張れ、と含み笑いを残して帰っていった。
残されたのはあたしと慧斗。
慧斗は、そっぽを向いていて、どんな様子なのか窺えない。