もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………慧斗?」
恐る恐る名前を呼んでみる。
「………」
何時もは優しい表情で返事をしてくれるのに、返事が返ってこない。
何を怒ってるの?
これ………嫉妬なんかじゃないよね……
「慧斗………」
もう一度呼んでも反応はない。
はぁ、と溜め息をついた。
なんか、分からなくなっちゃった。
慧斗が何を考えて何を思っているのか分からない。
…………ここに、いない方がいいかな?
あたしは、ギシッとなるべく音をたてないように立ち上がると、部屋から出ようと一歩踏み出した。
しかし、グイッと腕を引っ張られて、体が傾く。
視線を滑らせると、慧斗の手があたしの手首を掴んでいた。