もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「どこに行く」
「外に……」
「何しに」
「………風に当たりに……」
行く、と言おうとしたら、強い力で引っ張られてソファーに逆戻り。
「風邪引いたらどうするんだ」
「……風邪なんか引かないよ」
「断言は出来ないだろ」
確かに、そうだけども
「慧斗、怒ってるんでしょう?」
「………は?」
「返事くれないし、あたし何かした?」
何かしたなら言ってよ、謝るから。
そう言うと、慧斗は、罰が悪そうにあたしの手を話した。
「………別に、怒ってない」
「本当に?」
「ただ………」
「ただ?」
その後の言葉が知りたくて首を傾けながら次を待つ。
慧斗は、目を泳がせると、やがて諦めたように深い溜め息を吐いた。