もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
暴走にも行った。
海にも山にも沢山行った。
綺麗な景色も一杯記憶に刻み込んだ。
楽しかった。
これでもかってくらいに。
きっとあたしより幸せな人は世界中探してもいないと思う。
世界中はオーバーかな。
受験生の慧斗は、最初決めていた私立大学は辞めて国公立を受け直すとセンター試験に向けて集中して勉強を頑張り出した。一緒にいる時間は減ったけれど、頑張ってる姿を見るとあたしも応援したくなる。
同じ家にいるし、寝るときは一緒だから寂しくはなかった。
「雪那ちゃん」
「はい?」
部屋で勉強している慧斗の邪魔にならないようにお母さんと話をしていたあたしは由紀子さんに呼ばれた。
今日は仕事は休みらしく、スウェット姿の由紀子さんは、あたしを手招きしてくる。