もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
首を傾けながら由紀子さんの所に行く。
「何ですか?」
「あたしじゃなくてお父さんが呼んでるよ」
「先生が?」
「そ」
お父さん忙しいから頼まれた、と由紀子さんはあたしの手を取ると歩き出す。
あたしの目は相変わらずだった。
変わらないって事は嬉しいことだけれど、少しずつ視界が狭まってきているとは思う。認識できないくらいに少しずつ。
「調子はどう?」
「大丈夫です」
「痛みは?」
「最近はないです」
あたしの目の病気を知っているのは、先生と由紀子さん、お母さんに月ちゃん。
ほんの一握り。
「良かったわ。未来の妹に苦痛なんて嫌だもの。」
「そうですか……」
そして、本当の意味で知ってるのは先生と月ちゃんだけ。