もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
本当は迷ってる。
何時出ていこう、出ていけるかなって。
あたしはこの環境に依存しすぎてしまった。
でも、タイムリミットは近づいてきている。
「雪那ちゃん!?」
「………え?」
考え事をしていると、急に名前を呼ばれてあたしは腕を引っ張られてから我に返る。ハッと引っ張れる前に居た場所を見ると、壁にぶつかるところだった。
「危ない………考え事?」
「はい………ごめんなさい、ありがとうございます」
ホッと安心する由紀子さんにあたしは謝り、お礼を言った。
「ぶつからなくて良かった……ちゃんと見てなくちゃ」
考え事しないでとは言わないから、と由紀子さんはしっかりとあたしの手を握り直し、足を進める。