もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
[第二章] 暴走族
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「慧斗さん、慧斗さん」
「あ?」
「ここは一体どこですか?」
バシバシ慧斗の背中を叩くと、慧斗はヘルメットを脱ぎながら見たら分かるだろ、と言う。
終わりがないくらいに広い横幅に高い天井。鉄の作りで見るからに倉庫だとは分かる。分かるのだけれど
「ここに何しに?」
「遊びに?」
「疑問系で返さないで……」
「まぁ、ついてこい」
くれば分かると、慧斗は何故かあたしの腰に手を回した。
ガラガラと重そうな扉を片手で開ける。すると、耳に飛び込んできた幾多の声。