もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………どうした?」
慧斗の前に立つと慧斗は椅子に座ったまま立っているあたしの頬に手を伸ばして来る。
「どうして?」
「何か、辛そうだな………何かあったか?」
慧斗は心配そうに頬を撫でてくる。
あたしは、喉の奥が震えるのを感じた。
全ていってしまいそうになった。
きっと今のあたしは泣きそうになっていると思う。
あたしは、顔を見られたくなくて、座る慧斗の首に腕を回して抱き付いた。
ギシッと椅子が悲鳴を上げる。
「どうした」
「………何でもない」
耳元に近く感じる慧斗の息づかい。
慧斗は、いつもと違うと感じながらもあたしの頭を撫でてくる。
「一体、どうした………寂しかったのか?」
クスクスと慧斗は小さく笑う。