もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
ほら、行くぞとあたしを囃し立てる。
慧斗がいいなら、とあたしは立ち上がった。
「どこに行くの?」
「んー、まぁな」
「?」
「行けば分かる」
バイクに乗せられて、ヘルメットを渡される。
前に乗った慧斗の腰に抱き付いた。
「ちゃんと捕まっとけよ」
慧斗の声に頷くと、慧斗はバイクを走らせた。
どこに行くのかわからないけど、あたしは振り落とされないようにしっかりとしがみついた。
ゆっくりとバイクが速度を落とすと止まった。
「着いたぞ」
ヘルメットを取る慧斗にならってあたしもヘルメットを取る。
ヘルメットを持ったまま周りを見渡すと、見慣れた景色が広がる。
「………ここ」
「お前と初めてあった河原だ」