もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
初めて逢った綺麗な河原。
あの日ここに来なかったら慧斗に出逢うことはきっとなかったと思う。
河原は相変わらず綺麗な場所だった。
「どうしてここに?」
「何となく?息抜きにな」
「そっか」
あたしは、バイクから離れると河原の坂に腰を下ろす。
さわさわと風に撫でられて心地よい音を奏でる草を撫でる。
「気持ちいい……」
「たまには良いだろ?」
「そだね」
あたしの隣に腰を下ろした慧斗は、そのままゴロンと寝転がる。
「もし、俺が携帯落とさなければお前と出逢うことはなかったのかもな」
「………そうだねー」
同じように寝転がったあたしは、目の前に広がる大空を眺める。
ふわふわと雲が流れてる。