もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
平和だ。
「………ねえ」
「ん」
「あの時、あたしがここに寝ていたから慧斗に逢えたんだよね?」
「そうだな」
「あたし、最初は慧斗とずっと一緒にいることになるなんて思ってもいなかったよ」
「お前、俺に興味なかったもんな」
声にだけだったな、とクスクス笑う。
「だって良い声だもん」
むうっと抗議すると、それはどうもと笑いながらお礼を言われる。
今では馴染みすぎたその声は、聞くだけであたしは安心するんだ。
「誰かと関わりたくなくて大切な時間を邪魔されたくなくて」
「最初は嫌そうだったもんな」
「そうだよ?迷惑だったんだから」
いつの間にか学校にも入れさせられて。
自由が無くなっていく。
それが嫌で、逃げたんだ。