もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「まぁ俺はお前に出逢えて本当に良かった」
「慧斗………」
「適当に生きてたけど、生きていて良かったと思ってる」
ありがとな、って………そんなこと言わないでよ。
あたしは空を見上げながら涙が出そうになる。
お礼を言うのはあたしの方だよ。
ありがとう、慧斗。
最後に貴方の綺麗な心が見られて良かった………
この一年が走馬灯のように脳裏に掠めていく。
「………あたしこそ、ありがとう」
「ん?」
「この一年、あたしは幸せだったよ」
一生分の幸せだったよ。
「何言ってるんだ」
呆れたような声が降ってきた。
見上げると、慧斗が起き上がっていた。
「なんで幸せだった………過去形なんだ」