もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
むっと慧斗は口を尖らせる。
「まだ、過去形じゃない」
過去形になるのは年老いて死ぬ間際だ。
「…………そうだね」
慧斗の言葉にあたしは頷くと、上半身を起き上がらせた。
「じゃあ………幸せだよ、慧斗」
「勿論」
ニヤリと笑う慧斗にあたしも笑うと慧斗に抱きついて広い胸に顔を埋めた。
「今日は甘えたか?」
「………かもね」
クスクスと慧斗も抱き締め返してくれる。
本当に幸せ。………幸せだったよ。
ありがとう。